在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料(C001-5)の算定要件と点数【2026年度改定対応】
在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料とは
在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料は、在宅等で療養している通院困難な患者のうち、口腔疾患および摂食機能障害または口腔機能低下症を有する方に対して、口腔機能の回復と口腔疾患の重症化予防を目的に行う指導管理を評価するものです[2]。
留意事項通知は、算定の中身を次のように定めています[2]。
当該患者の全身の状態、口腔内の状態及び口腔機能の状態等の評価をもとに作成した管理計画に基づき、プラークコントロール、機械的歯面清掃、スケーリング等を主体とした歯周基本治療若しくは口腔バイオフィルムの除去又は口腔機能低下症若しくは摂食機能障害に対する訓練を含む指導管理等を歯科医師が1回につき20分以上実施した場合に月4回に限り算定する。
つまり「歯周基本治療などの口腔衛生管理」と「摂食嚥下・口腔機能の訓練」をひとつの管理料に束ねた構造です。処置と訓練が包括されているぶん、後述のとおり別に算定できない項目が多いのが最大の特徴になります。
実施するのは歯科医師です[2]。歯科医師の指示を受けた歯科衛生士等が行う実地指導は訪問歯科衛生指導料という別の点数であり、混同しないでください。
点数は3区分——歯数の数え方
点数は歯数によって3区分に分かれます[1]。
在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料(1回につき)
令和8年厚生労働省告示第69号 区分C001-5
| 区分 | 歯数 | 点数 |
|---|---|---|
| 1 | 10歯未満 | 400点 |
| 2 | 10歯以上20歯未満 | 500点 |
| 3 | 20歯以上 | 600点 |
歯数の具体的な数え方(どの歯を数に含めるか)については、告示第69号の注にも、留意事項通知のC001-5の項にも定めが置かれていません。区分の根拠となる口腔内の状態を診療録に残しておくことが、返戻・個別指導への備えになります。
そのうえで、告示の書き方から読み取れる点が2つあります。
口腔バイオフィルム感染症の治療を行う場合は、歯・歯周ポケット・義歯等のバイオフィルムおよび舌苔の付着状態等を評価し、口腔細菌定量検査を1回以上実施します[2]。
対象になる患者——摂食機能障害と口腔機能低下症
注1が定める対象患者は、歯科訪問診療料(C000)を算定した患者であって、摂食機能障害または口腔機能低下症を有し、継続的な歯科疾患の管理が必要なものです[1]。この2つの状態は、留意事項通知でそれぞれ定義されています。
口腔機能低下症の患者に対して口腔機能の回復・維持向上を目的に医学管理を行う場合は、D002-6「2 口腔細菌定量検査2」、D011-2「1 咀嚼能力検査1」、D011-3「1 咬合圧検査1」、D011-5 口腔粘膜湿潤度検査、D012 舌圧検査を別に算定できます[2]。ただしこれらは各検査の留意事項により、口腔機能低下症の診断後で継続的な口腔機能の管理を行っている場合は3月に1回が限度です[2]。
なお、対象は歯科訪問診療料を算定した患者ですので、まず歯科訪問診療料の要件(通院困難・屋内での診療・切削器具の常時携行)を満たしていることが前提になります[2]。
算定の流れ——口腔機能評価・管理計画・20分以上・月4回
指導管理の中身についても、通知が下限を定めています。管理計画に基づき、必要に応じて摂食機能障害・口腔機能低下症に対する訓練を含む指導管理等、プラークコントロール、機械的歯面清掃、スケーリング等を主体とした歯周基本治療または口腔バイオフィルムの除去等を実施し、1月に1回以上、摂食機能障害または口腔機能低下症に対する訓練を含む指導管理を実施します[2]。清掃と歯周基本治療だけで月が終わっている場合は、この要件を満たしません。
摂食機能障害に対する訓練等は摂食機能評価の結果に基づきH001 摂食機能療法に準じて実施し、口腔機能低下症に対する訓練等は口腔機能評価の結果に基づきB000-4-3 口腔機能管理料に準じて実施します[2]。摂食機能障害に対する指導管理の一部として食事形態についての指導等を実施した場合も、当該指導管理料を算定します[2]。
実施に当たっては、必要に応じて主治の医師や介護・福祉関係者等と連携を図ります[2]。
別に算定できないもの——注2の包括と注3の同月排他
C001-5でもっとも返戻・査定につながりやすいのがここです。まず注2の包括から見ていきます。注2は、次の9項目が所定点数に含まれ別に算定できないと定めています[1]。
C001-5に包括される項目(注2)
令和8年厚生労働省告示第69号 区分C001-5 注2
| 区分番号 | 項目 |
|---|---|
| D002 | 歯周病検査 |
| D002-5 | 歯周病部分的再評価検査 |
| D002-6の1 | 口腔細菌定量検査1 |
| I011 | 歯周基本治療 |
| I011-2 | 歯周病継続支援治療 |
| I029-2 | 在宅等療養患者専門的口腔衛生処置 |
| I030 | 機械的歯面清掃処置 |
| I030-3 | 口腔バイオフィルム除去処置 |
| H001 | 摂食機能療法 |
留意事項通知(19)は同じ9項目を挙げたうえで、**「当該指導管理料を算定した日以降に実施した」ものと限定し、さらに摂食機能療法には「(歯科訪問診療以外で実施されるものを除く)」**という括弧書きを置いています[2]。告示の注2には同じ括弧書きがないため、歯科訪問診療以外で実施した摂食機能療法の取扱いは、審査支払機関に確認したうえで運用してください。
なお、当該指導管理を開始した後に、必要があって歯周ポケットに特定薬剤を使用した場合は、I010 歯周病処置および特定薬剤料を算定できます[2]。
つづいて注3の同月排他です。在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料を算定した月において、次の5つは別に算定できません[1]。
同月に算定できない管理料(注3)
令和8年厚生労働省告示第69号 区分C001-5 注3
| 区分番号 | 管理料 |
|---|---|
| B000-4 | 歯科疾患管理料 |
| B000-4-3 | 口腔機能管理料 |
| B002 | 歯科特定疾患療養管理料 |
| C001-3 | 歯科疾患在宅療養管理料 |
| C001-6 | 小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料 |
実務上いちばん多いのが歯科疾患在宅療養管理料との重複です。この排他は双方向で、歯在管(C001-3)の注8でもC001-5は別に算定できないと定められています[1]。歯在管は月1回、C001-5は月4回なので、患者の状態と訪問回数によってどちらを選ぶかが月ごとの判断になります。管理料の選び方は訪問歯科の収益構造でも扱っています。
加算の一覧(注4〜注8)
C001-5の加算
令和8年厚生労働省告示第69号 区分C001-5 注4〜注8
| 加算(注) | 点数 | 主な要件 |
|---|---|---|
| 口腔管理体制強化加算(注4) | +75点 | B000-4-2 小児口腔機能管理料の注5に規定する施設基準を届け出た診療所の歯科医師が実施した場合 |
| 在宅療養支援歯科診療所加算1(注5) | +145点 | 在宅療養支援歯科診療所1の歯科医師が実施した場合 |
| 在宅療養支援歯科診療所加算2(注5) | +80点 | 在宅療養支援歯科診療所2の歯科医師が実施した場合 |
| 在宅療養支援歯科病院加算(注5) | +145点 | 在宅療養支援歯科病院の歯科医師が実施した場合 |
| 在宅歯科医療連携加算1(注6) | +100点 | 他院を退院した患者について、退院時に受けた情報提供と歯科疾患の状況等を踏まえて管理計画を作成した場合 |
| 在宅歯科医療連携加算2(注7) | +100点 | 他院退院・介護保険施設等入所・訪問介護等の利用者について、医師・看護師・介護支援専門員等からの情報提供を踏まえて管理計画を作成した場合 |
| 在宅歯科医療情報連携加算(注8) | +100点(月1回) | 施設基準を届け出た医療機関が、ICTで記録された患者の診療情報等を活用して計画的な歯科医学的管理を行った場合 |
加算どうしの関係で、実務が取り違えやすい点が2つあります。
在宅歯科医療連携加算1・2を算定した場合は、情報提供に係る文書を診療録に添付します。文書以外による情報提供の場合は、情報提供を受けた日時・内容・相手方の機関名および担当者名を診療録に記載します[2]。いずれの加算も、管理計画の作成または変更時に1回に限り算定します[2]。
返戻・個別指導を防ぐ記録
20分以上という要件は、開始時刻と終了時刻の記載がなければ後から証明できません。歯科訪問診療料でも同じ記載が求められますので、指導管理の時間を歯科訪問診療の時間と分けて記録しておくと、返戻対応がしやすくなります[2]。算定要件を満たさない請求は不当請求として返還の対象になりますので、個別指導の選定基準もあわせてご確認ください。
こんなときは何点?
歯数15歯の患者
500点(2 10歯以上20歯未満)
第2区分歯数24歯の患者
600点(3 20歯以上)
第3区分同じ月にすでに歯科疾患在宅療養管理料を算定している
同じ月にC001-5は算定できない
歯科疾患管理料・口腔機能管理料・歯科特定疾患療養管理料・小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料も同様です[1]。
指導管理と同日に機械的歯面清掃処置も算定したい
算定できない(所定点数に含まれる)
歯周病検査・歯周基本治療・在宅等療養患者専門的口腔衛生処置・口腔バイオフィルム除去処置なども包括されます[1]。
管理料の算定前から歯周病検査を含む歯周病治療を実施していた
当該指導管理料は算定できない
ただし歯周病治療の開始後に摂食機能障害・口腔機能低下症に対する訓練等が必要となった場合は算定できます[2]。
具体的なレセプト電算処理システム用コードは、令和8年6月版の歯科診療行為マスタでご確認ください。